JINGLE☆JINGLE<06>

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当日は、朝から大忙しだった。
ユフィとマリンはパーティの準備にてんてこまい。
昼間から店をあけていたティファは、次々に訪れる客達のオーダーを大忙しでさばき続けた。

普段以上の来客に、セフィロスだけではなく、デンゼルも接客にあたった。
最初は口を利くこともなかったのに、彼らが協同で仕事をできるようになったことに、ティファは不思議な感動を覚えていた。

昼間を過ぎた頃、ようやく客入りが少しおとなしくなって、デンゼルが疲労困憊でいるところに、マリンとユフィがシドを連れて帰ってきた。
シドと共に、シエラとその子供、大勢のスタッフもやってきた。
そこからなし崩しにパーティが始まって、デンゼルとマリンが子守りにあたり、ティファをユフィが手伝った。

夕方早くから酒盛りが始まって、シドがすっかり出来上がった頃、バレットも帰ってきた。
酔っぱらいに絡まれて最初は不機嫌でいたバレットも、すぐに調子がよくなった。

威勢のいい乾杯が鳴り響く中、タークスがセブンスヘブンを訪れた。
「プレゼントだぞ、と」と言って、彼らは子どもたちに真新しいオモチャを与えていった。
神羅カンパニーのイメージアップキャンペーンの一環で、女の子にはぬいぐるみ、男の子にはリモコンカーを配り歩いているらしい。
熱心なことだ、と、ティファは呆れた。

挨拶代わりの乾杯を開けた後、彼らは次の家に向かっていった。
それに少し遅れて、リーブとヴィンセントがやってきた。
「遅~~い」、と、ユフィが文句を言う。
「ちゃんと来ただけ褒めてやれよ」と、シドがヤジを飛ばした。

周りが盛り上がっている最中に、クラウドから連絡を受けたティファが、こっそりとパーティを抜けだした。
店の裏に到着したクラウドに、衣装を渡すためだ。

「絶対に嫌だ」

紙袋に入った赤い服を見下ろしながら、クラウドは拒絶した。

「絶対に着て下さい」

クラウドの拒否を、ティファが断固拒否した。
寒空の下、しぶしぶ、クラウドは服の上から衣装を羽織った。

赤いジャケット、赤いズボン、赤い帽子に綿毛のつけヒゲ。
鏡は見なかったけれど、隠しきれていないティファの笑い顔を見ると、自分がどれだけ愉快な姿でいるのかは明白だった。

「ちゃんと、それっぽく演技するのよ」

ティファに言われて、クラウドは眉を寄せた。
それっぽくって、どうすればいいんだ。
考えていても仕方がない。

店の表に回って、すう、と、深く息を吸う。

「メリークリスマーーーース!」

こんな大声を出したのは、きっと人生で初めてだ。
突然現れた男の声に、店の中にいた全員が入り口に注目する。
そうしてすぐに、店は大爆笑に包まれた。
クラウドは一気に顔を赤くして、逃げ出したい衝動に襲われた。