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  • 773件の検索結果。全78ページ中47ページ目を表示しています。

ぼくらのなつやすみ <01>

  • 5,823字
  • 2012/03/19
 神羅カンパニー本社ビルの中でも、ソルジャーフロアを行きかう顔ぶれは、どれも若さに溢れていた。彼らは若いながらも強さを目指し、日々その歯牙を削っている。  神羅軍とは一味違う厳しさを強いられ、厳粛な戒律に縛られている彼らではあるが、青春を謳歌してはならないというルールは無い。そう論じるザックスを眇め、クラウドは素っ気無く言い放った。 「行かない」 「なんで」  すかさず、ザックスは問い正...

オリオンは色褪せない <03>

  • 10,718字
  • 2012/03/19
 ロケット村の周りは、平地に囲まれていた。高い山脈に大陸を分断され、緑豊かな平原が裾を広げている。  夜になって、村からそう遠く離れていない場所に、クラウド一行はテントを立てた。長旅のお陰で、テントを張る彼らの手つきも慣れたものだった。  今夜は、シエラに夕食を御馳走になった。そのまま家で休んでいけと勧められたが、シドがこれを断った。  宿に泊まってもよかったが、慣れてくると野宿というのも...

オリオンは色褪せない <02>

  • 8,618字
  • 2012/03/19
 地方魔晄炉の調査、だなんて、地味な任務だ。華々しい武勇伝とはほど遠く、こんなところで活躍しても、英雄になれるとは到底考えられない。  しかしザックスは、セフィロスは、クラウドは、不満などこれっぽっちも抱いていなかった。彼らはどれも、特別な想いで、狭い貨物車に揺られていた。  大陸を結ぶ連絡船からトラックに乗り継いで、鋪装されていない道を走って、何時間が経っただろう。難儀な体質を持つ少年は、...

オリオンは色褪せない <01>

  • 6,036字
  • 2012/03/19
 初めは、こんな戦いはすぐに終わると、誰もが考えていた。  通わない意見の合理性を武力に求めた結果、多くの人の命が散っていく。重ねられる憎悪、怨恨の連鎖に、やがて皆、理由と意味とを見失っていく。  戦争なんて、いつの時代もどこの世も、大概そんなものだ。  兵力差は歴然。しかし、戦いは長引いた。  ウータイの人々は、女から子供に至るまで、全てが戦士の心を持っている。いくら数を寄せ集めても、...

星逢い <04>

  • 13,556字
  • 2012/03/19
【 HOPE:CLOUD 】  夕焼けは海に沈んで、紅を散りばめた波を夜が追いかけていく。見渡す限りの、大自然。緑豊かな森は砂浜近くまで広がっていて、寄せては返す小波は、爽やかな夏の香りを運んでいた。  ボーンビレッジでの仕事を終え、クラウドの荷物は軽くなった。今日は時間を巻いてきたから、最後の仕事のための時間はたっぷりある。待たせていたフェンリルに指を伸ばし、クラウドはそのボディをいたわっ...

星逢い <03>

  • 6,225字
  • 2012/03/19
【 HOPE:TIFA 】  クラウドが帰宅したのは、日付も変わろうかという、深夜のことだった。  外の蒸し暑さに比べ、店の中は涼しくて心地が好い。平日だからか、もはや客の姿はなく、カウンターテーブルに使用済みのグラスがいくつか集められているのみだった。  クラウドは静かに、店の奥へと歩みを進めていった。  表には『CLOSE』の看板がかかっていたから、もうみんな眠ってしまったのかもしれない...

星逢い <02>

  • 3,877字
  • 2012/03/19
【 HOPE:UNKNOWN 】  夏の季節が、またやってきた。今日一日の仕事を終え、クラウドの荷物は軽くなった。  始めたばかりの運搬業は、快調な滑り出しだった。クラウドはこの日、補給物資を届けるため、大陸を渡ってボーンビレッジを訪れていた。  雲に隠された夕焼けが海に吸いこまれると、少しだけ世界は涼しくなる。波の運んできた海風も手伝って、日の照りつける昼よりはいくらか過ごしやすい。  け...

星逢い <01>

  • 4,208字
  • 2012/03/19
【 HOPE:AERITH 】     「…っていうわけ。さ、書いて」  そう言って、ユフィはメンバーに紙切れを差し出した。それを受け取ったシドが、煙草の煙を燻しながら歯笑いを見せた。 「自分たちの記念日に他の奴らの願いまで叶えてやろうだなんて、豪気な夫婦じゃねぇか。気に入ったぜ」  早速ペンを走らせようとするシドの隣で、バレットが紙を受け取った。 「なんでもいいのか?」 「もっちろん! なんで...

この胸を焦がすときめきを <後編>

  • 7,918字
  • 2012/03/19
 ミッドガルの中央を陣取る神羅カンパニー本社ビルに、ないものなどない。しかしツォンがいかに優秀であろうと、それを探すのは一苦労だった。  絵の具やペンキなど、誰が何に使うというのだ。これまでそういった類のものと無縁だった少年の突発的な命令に、ツォンは動揺を隠せないでいた。  幼稚園でもあるまいし、社内にそんなものがあるとは考えられなかった。期待薄でほうぼうあたってみた結果、見つかったことにか...

この胸を焦がすときめきを <前編>

  • 3,575字
  • 2012/03/19
「退屈だ」  ルーファウスがそう吐き捨てるのは、もう何度目になるだろうか。少年は相変わらずの仏頂面でそれを口にし、一方ツォンは、相変わらずの無表情でそれを受け流した。  この星で絶大な力を持つ一大企業、神羅カンパニー。その社長、プレジデント神羅の一人息子で、副社長に就任したばかりのルーファウス神羅は、本社ビルの片隅で時間を浪費していた。  後継者として育てられてきた彼は、なるほど有能だった...

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